猫のパラダイム/青の詩人
 


感じるのは
波のように不安定な今と
風のように不確かな未来
ただそれだけ

過去は火にかけて葬り去った
跡形もなく灰になった
あんなにも綺麗に燃え上がったのに
土にすがり付いている

この目が何を見たしても
もう猫の目に変わりはない
エメラルドグリーンに輝くのは
自由の何たるかを知るから

腹が減った日には
角を曲がったあの酒屋まで
肌寒い雨の日には
赤い屋根のおばあちゃんの家まで
無性に寂しい日には
大好きなあの子のいる花屋まで

ひどく退屈な日には
ちょいと海辺まで

カモメでも捕らえに


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