「精霊、山の手」/菊尾
っさんに・・・」
「母さん居ないのか?おーい母さーん」
「・・・奥さん居ないんすか?」
「今の母さんはそっちじゃなくて実の母親に対しての呼びかけだ。」
「お母さんと二人暮らしなんですか?」
「いや一人だ。言ってみただけだ。」
そう言っておっさんは梯子を上り始めた。
「ちっっっ!!!」
「にゃ〜」
「猫の鳴き真似すんなよおっさん」
そう言って俺も梯子を上り始めた。
「さぁくつろいでくれ。君のくつろぎ具合を見せてくれ。」
「・・・何も無いっすね。」
「無視か。現代の若者の象徴だな君は。私も娘にはよくされていたよ。」
「娘さん居ないじゃない
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