しろい女 /服部 剛
 
週末の夜 
目の前に
しろい女のゆれるのを 
眺めている 

( 何故、こうして新たな命は生まれる・・・? ) 

ふいに思い 
自らの内に仕組まれた欲望も 
馬鹿らしく 

目の前に 
黒髪のほつれた肩も透けてゆく 
しろい女の幻 

外に出ると只、 
夜の街明かりと
傘を差した独りの男を映す 
水溜りに広がる  
幾重もの水の輪 

( もっと大切なことが、あるんじゃないか・・・? ) 

夜空から落ちて来た 
一滴の雨が  
酔い覚めの首に、つめたい。 




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