ガラスの箱/
tanu
しくても
僕はここに閉じこもっている
僕は知っている
僕自身が発する熱で
内側からガラスを溶かすしか
この箱を消し去る方法がないことを
僕は知っている
自分が灰になるかもしれない恐怖が
僕を怖気ずかせていることを
僕は知っている
必要なのは
勇気ではなく
狂気であるということを
狂気が噴き出すには
もっと息苦しさが増さねばならないだろう
箱が収縮し切って
僕の身体に密着するとき
僕は狂気を選ぶか死を選ぶか
それは僕にもわからない
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