ただ捨てられるだけの日記/Rin.
りますが、そういう複雑な人間関係もあって、あの2年はやはり後ろめたいものがあります。
祖母は先にも書いたような性格でしたから、店をしているときは長男の嫁に、引き取られてからは叔母に、散々毒を吐いていたそうです。祖父が死んでから20年あまり、日記を毎日つけていたそうですが、
「私がされたことは全部あの日記に書いてあるから、私が死んだら読んでくれな。」
と、母に言ったようです。祖母はなぜか私の母にだけはきついことを言いませんでした。きっと京都人というので遠慮していたのでしょう。
そういう日記の存在は私たちも含めてみな知っていました。しかし、書いてあることが原因で、兄弟やその配偶者と
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