ただ捨てられるだけの日記/Rin.
 
りますが、そういう複雑な人間関係もあって、あの2年はやはり後ろめたいものがあります。

 祖母は先にも書いたような性格でしたから、店をしているときは長男の嫁に、引き取られてからは叔母に、散々毒を吐いていたそうです。祖父が死んでから20年あまり、日記を毎日つけていたそうですが、
「私がされたことは全部あの日記に書いてあるから、私が死んだら読んでくれな。」
と、母に言ったようです。祖母はなぜか私の母にだけはきついことを言いませんでした。きっと京都人というので遠慮していたのでしょう。

 そういう日記の存在は私たちも含めてみな知っていました。しかし、書いてあることが原因で、兄弟やその配偶者と
[次のページ]
戻る   Point(32)