虹彩/青の詩人
 
目よりも 
もっと大きな目があって
きっとそれよりもっと大きな目があって
視力の上昇は無限に続く


やがて僕らが神様になったのは
きっとすべてを見たかったから


けれど 皮肉なものだ
大きくなるたびに
目そのものの中に棲んでいる
ちっちゃなものが見えなくなるのは

僕は水晶体の中の
ちっちゃなひとつの命として
別のちっちゃな命を見ていたい
誰も気づかないほど微妙な神経の変化にも
敏感に反応する
小さな神様でいたい



だから僕の目の中にも
空はあるんです
君はいるんです
雨上がりの世界は
ちゃんと七色に輝くんです

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