虹彩/青の詩人
目よりも
もっと大きな目があって
きっとそれよりもっと大きな目があって
視力の上昇は無限に続く
やがて僕らが神様になったのは
きっとすべてを見たかったから
けれど 皮肉なものだ
大きくなるたびに
目そのものの中に棲んでいる
ちっちゃなものが見えなくなるのは
僕は水晶体の中の
ちっちゃなひとつの命として
別のちっちゃな命を見ていたい
誰も気づかないほど微妙な神経の変化にも
敏感に反応する
小さな神様でいたい
だから僕の目の中にも
空はあるんです
君はいるんです
雨上がりの世界は
ちゃんと七色に輝くんです
戻る 編 削 Point(1)