ダッチとアンゴ/udegeuneru
 
都会はいつも決まってドブ臭くて渦巻いていた
歓楽街の路地裏にある一軒のバー
いつの時代もこういう場所には需要がある
男はいつもと同じようにカウンターの席に座っていた
俺はまっすぐカウンターに向かいそいつの横の席に腰をかけた
いつもと同じ酒を頼み同じ煙草を吸っていたそいつを気にかけない様子で


「マスター、ホワイトロシアン」
「珍しいですね」
「たまにはね、こういうのが飲みたいの」


「・・・」
「やあ、あんたいっつもその服を着ているんだな」
「同じのを7着持ってる」


「たまには違う酒を頼みなよ、おごるぜ」
「いや、いい」
「気分転換になるよ」
「い
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