詩人のシノギ(大和田建樹の巻)/みつべえ
 
体」を冠した詩の出版物が多いのに気がつく。「新体詩抄」は明治15年の8月に出ているが、同年10月にはもう「新体詩歌第一集」(竹内節編)というのが現れている。明治19年には、「新体詞選」(山田美妙ほか編)、「簒評新体詩撰」(竹内隆信)、新体詩華・少年姿(山田美妙)と、ぞろぞろ出版されていて、「新体詩抄」の影響の大きさがよくわかる。
 ところで、それと並んで目につくのは「唱歌」の発行である。「小学唱歌初編」(文部省)は、「新体詩抄」の前年に出され、明治16年に「第2編」、17年に「第3編」、20年には「幼稚園唱歌集」とつづいている。新政府が学制を発布したのは、江戸時代の終焉からまだ遠からぬ明治5年(
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