あんず/山中 烏流
まるいかたち
ぱすてるなおれんぢ
やらかくはねて、すいてき
ゆびで
かるくつぶすことも
くちびるで
つみとることも
わるいこ、にしない
やさしさ
みつからない
ちいさなきらめきと
なくしてしまう
まっすぐなしせんと
それから、それから
りょうて
かぞえきれないたからもの
まるまったひざと
ゆるくむすんだうでが
だいじにもっている
あまずっぱいのは
まだ、こどものあかしで
ちいさいのは
おさまることをしる
おとなのあかし
「やさしすぎるせかいは
たまに
しんぞうをえぐって
うみをつくるよ
それでも、いきるのは
そのあとに
たくさんのおひさまが
つめたくなったまんなかを
あたためてくれるからなの」
まるいかたち
つつみこむように
あるべくして、なるのだと
ぱすてるなおれんぢ
おひさまのいろ
ひとくちだけで、いま
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