冷たい様な粉っぽいような、階段の踊り場の匂い/R
例えば、階段の塗装の匂いや空の高さで
なんとなくひとりだと強く感じても、
世界の濃度があがっているから、
少しきみが近いような気がして
マーブル模様の空を見上げる。
「この空は君とつながっているから、離れても大丈夫」
なんて陳腐な言葉じゃ、
月日の積もる速度に負けてしまう。
陽の浮き沈み、月の満ち欠け、世界の濃度が上がっていく。
遠い、きみと僕に降り積もる月日が、
夏の雪のように溶けていけばいいと、
アイスキャンディーを食べながらみあげて思う、初夏。
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