夏/沙虹
 
長雨をもたらした群雲の涯にかかる桟橋

漕ぎ出せば容赦無い光の海原

破線の僕の輪郭はより不確かなものとなって

影は灼けたアスファルトに縫いつけられる

光と影は背中合わせの白と黒  

オセロのように貼り付いて

片一方が正しいでもなく

かと言って間違いでもない



蒼穹に浮かぶ姿を変える不実な空の氷菓は

今が食べごろです

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