詩人のシノギ(島崎藤村の巻)/みつべえ
)に入学する。明治19年に父が死亡し、島崎家の没落がはじまる。恩人、吉村忠道の援助で勉学に勤しんだが、そのころから現実とのギャップに懊悩するようになる。卒業後は、一時吉村家の経営する雑貨屋を手伝うが、20歳の時に明治女学校高等科英語科教師となる。
その翌年、北村透谷らの雑誌「文學界」に参加した。一方で、教え子と関係をもち、教師としての自責からキリスト教を棄て辞職する。1894年(明治27 年)に復職したが、透谷が自殺、さらに兄・秀雄が事業の不正疑惑のため収監され、島崎家の生計が藤村の肩にかかるようになる。翌年には愛した教え子が病没。ふたたび女学院を辞職し、放浪の旅にでる。1896年(明治2
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