お花畑にて /
服部 剛
田舎の駅の階段を
せーらー服の少女は軽やかに上り
ひらひたと舞うすかーとのふくらみに
地上と逆さの重力が働いて
自ずと顎が上がってく
まったくいくつになっても
男って奴ぁいやらしい
小さい駅舎の改札を抜けた
一面に金色を帯びた菜の花の小道に
ひとりぼっちで肩をすぼめた影は伸び
やけに夕陽が目に沁みた
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