大力の女/チアーヌ
ってしまった。
「ええ、そうです.....」
言葉に迷いながらそう答えると、部長も課長も、そんなことはありえないとでも言うように、ニヤニヤしながら顔を見合わせた。
「一体何を言い出すかと思ったら。ではあれかね、あの女性が、女相撲でも取っていたと言うのかね?」
「いえ、本人は、格闘技は一切やったことがないと言っていました」
「じゃあ、何が強いんだね、彼女は」
「いやもう、力が強いんです」
「力が強い?どういうことだ。腕相撲でも取ったのか」
「いえ、取っていませんが、やったらきっと、確実に負けると思います」
「へっ、君が彼女に負ける?君だって腕には覚えがあるほうだろう。確か」
「は
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