本に入る /服部 剛
 
この胸からすぐに薄れる 
「決意」の文字を 
もう一度 
彫刻刀で、私は彫る。 

自叙伝の頁(ページ)が 
いつまでも捲れない 
薄っぺらな冊子にならぬよう 

一冊の本を開いた 
空白の頁に 
私は足を、踏み入れる。 




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