水死体と黒点と観覧車/しもつき七
 




静かの、川が
逆流する
しなやかな動きの連続で
えたいの/知れないものたちが
反射するから
少女は、もう一度
夜を怖がらなくてはならない
そういうものなの
と、わらう顔は悲しく



まだ紐がとかれていない小舟に
女の子と男の子が乗っている
昼はスカートいっぱいにイチゴを摘み
一日がつぶれてしまうとこうして
ただ背中をあわせて
正常な方向にむけて舵をとる
彼らもまた
そういうもの
の一つだった

スミレの花の冠が、女の子にはよく似合い
男の子には女の子がよく似合った



いちめん、白の
全てが朝のまま終わる六角部屋で
もうどうしても、
大きくなってしまったからだを
必死になってかくしている

・日に焼けて傷んだ黒髪
・腕のようでそうではないもの



川は海にと流れてゆくのに
あたりはすでに砂漠だった


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