「 卵 」/
服部 剛
「卵」という文字が
何故か哀しく歪んだ
誰かの顔に見える
「卵」という文字が
何故か背中合わせに俯く
ふたりの人に見える
「卵」という文字が
何故かずっと倒れずに
姿の消えない木に見える
「卵」という文字が
何故か隙間を開いたまま
風の吹き抜ける扉に見える
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