前/奥津 強
火は 一種類のために 婚姻してしまい
又は 燃え尽きるまで 一斉に種を埋没させ
灰すらも そこには かけられない
一本の樹木が 夏に 照らされ
糞を垂らす ゆっくりと
穏やかな 春は 火のためにあり
樹木は 止まる事を 知らぬ
お前よ 強烈な 嵐の中で 凍えるが良い
中途な 日暮れなど 私にも 似合わぬ
やがて 広大な 沃野に 敢然と昇るもの
それは お前の正義だ
酷い環境の中で お前は 一種類の 破棄を記憶する
長い間の 愛も 不可解な 隠者達とも!
お前は 交換したものの中での 鐘
お前は 矛盾したものの中では 生かされぬ
前進するために 火はあり
お前は がんがんと 鐘を叩き上げよ
哀れむものばかりの 人の中で
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