木漏れ日/見崎 光
 

陽射しが暖かさを含み始めた
ある朝の斜光の細めた瞳に
真綿を摘んだ


のせられていく色と
頼りない呼吸
指折り数えた銀世界の掟を
誇らしげに靡かせて交合する


穏やかな春日に
零れた光
それはそれは暖かな誘い


君は、
木漏れ日の中を駆け
小さな小さな真綿になった
さよなら、
別れの言葉を選ばずに
またね、
出合いの約束を置いて…


ある朝の
斜光眩しい
ひと風景
寂しさ抱いた
無言の別れ


いつもの場所に
君はもう、いない
今年という時間に
君は、




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