いのちの石 /
服部 剛
地上を覆う
夜の帳の重さを
老木の林が支えている
土深く
張り巡らせた
無数の根足を踏ん張りながら
夕闇に黒く浮き立つ
老木達をじっとみつめる
君の体から放たれる
二つの光
一つは天へ昇り
一つは地へ落ち
星の灯り始めた夜空を
地上から仰ぐ君は
棺に眠る屍でもなく
翼のある天使でもなく
光を帯びた体で
独り立つ
ほの白い頬に
影を刻み
潤んだ瞳に
星を映し
魂の鏡に
発光する
いのちの石
※ この詩はリルケの「夕暮れ」を参考に書きました。
戻る
編
削
Point
(3)