ひとりおにごっこ/山中 烏流
窓際からの風が
僅かに
ほんの僅かに
口角を持ち上げては、
私を彩る
それは
ふらつく指先から
あなたの
瞳までの距離を
計ろうとする度に
繰り返される
、常だ
あなたはいつも
私の
一番、深いところから
零れ落ちるものを
そっと見ている
だけれども
油断をしていると
たまに顔を覗かせては
その溜まりを
浚ってしまうから
私はいつだって、
あなたを
忘れてしまうのだろうか
朝焼けの中
ほおずき色へと
染まりつつある頬に
唇を寄せては
また、離すことを
あなたは
ゆっ
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