ゆびの/竹節一二三
あ
つきゆびは
いたい
流水になかゆびをひたして
いたみを
あらいながす
つきつきしびれ
あかくはれる
命のいろはなかゆびにあつまり
みずにひえる
ひじの
てくびの
それから てのこうへ
命はながれて
なかゆびでとまる
つめはむらさき
みずがつめたいから
しんぞうからあかい道をたどって
わたしはからだじゅうをあるく
おやゆびと
ひとさしゆびと
こゆびと
くすりゆびと
なかゆびでとどまる
あおくひやされ
水ににげる
わたしは水にとけて
いたみをわすれる
みずはそらににげ
そらはかぜとはしる
ひろい世界で
いたみなんかわからない
水をとめると
なかゆびはやっぱりいたかった
あつく熱をもって
命をちらしている
あつい
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