告知の夜 /服部 剛
 
境に 
家族は 
過ぎ越しの日々 
に入った 

「 ひとまず一週間、考えよう・・・ 」 

席を立った父は
部屋を出る 

厨房に立つ母は
湯飲みを洗う 

息子は腰かけたまま 
頬杖をついて 
今迄思いもしなかったことを呟く 

( 一目でも嫁になるひとをみせてやりたい ) 

廊下越しの 
祖母の部屋から 
千葉の娘と電話で話す 
いつもと変わらない 
笑い声が聞こえる 







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