素敵過ぎる夜明け/紫音
 
ああ、神よ
何故私を生んだのか
何故世界を創ったのか

答え、神なんていないから
何も生みもしなかった
何も創りはしなかった

だからちっぽけでどうでもいいような願いは
叶いはしないし敵いもしない
星に願ったって同じこと
流れ星はとうの昔に石の塊で
そこに意思なんてなく、奇跡なんて起きはしない
運よく衝突するような奇跡「的」なことはあったとしても

眺めている星は
見えているようで幻かもしれず
世界なんて手の届くほんの4〜5mしか確かめようがない
花瓶に触れることはできても
窓の向こうの丘は触れることはできない
丘に触れるときは
花瓶なんて見えもしない

[次のページ]
戻る   Point(1)