アナグマさんとマッチちゃん/縞田みやぎ
ので、それはすてきな寝床なのでした。
天気の良い日には二人で散歩をします。
アナグマさんはフェルトのつばの帽子をかぶり、マッチちゃんはうさぎ毛のマフラを巻きます。
マッチちゃんはアナグマさんの上着のポケットに入り、上機嫌です。
アナグマさんが「ミスタ」と呼ばれるのが、マッチちゃんはお気に入りなのでした。
「アナグマのだんな、マッチのお嬢さん、ごきげんよう」
すれちがう人々に、2人は、上品にお辞儀をするのでした。
アナグマさんは毎日、炊事や洗濯、掃除をします。
朝はマッチちゃんよりも早く起きて、お湯を沸かします。
「メイドを雇うといいんだわ。殿方があくせくするのってみっとも
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