アナグマさんとマッチちゃん/縞田みやぎ
ました。
「アナグマさんたら、忘れん坊でお寝坊なんだわ。みっともないわ」
大きな声でしゃべっても、アナグマさんが起きてくる様子はありません。
マッチちゃんはカーディガンを羽織って、本棚を降りて、アナグマさんの寝室に向かいました。
「なおぅ、なおぅ」
朝のミルクがまだもらえないフランシスも、一緒に戸をノックします。
「アナグマさん、アナグマさん、朝なのよ。お寝坊はいけないのよ」
何度かとんとんと叩くと、やっと中からアナグマさんの声がしました。
「マッチちゃん、フランシス、おはよう」
部屋に入ると、やっぱりカーテンは閉まったままです。
ベッドの布団のこんもりとした山から、アナグ
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