桜、道しるべ/こゆり
 
君の、記憶の色をたどり始める


少し暖かくなってきたね、と
それでもふたり半分ずつ
かさなりあって歩いた

はや足のきみに
半歩だけ遅れる、わたし

つないだ手と手


暖かさはぐるり、ひとまわりして
あの時、伝えきれず
落ちていった言葉たちを
すくい上げては
咲かせていく


君の街ではもう
咲いているのでしょうか
君の言葉はもう


薄桃色の空をたどって歩く
行き先は



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