硝子の紫陽花 /服部 剛
 
六月の空から降りしきる 
無数の梅雨のうたごえに 
色づいてゆく青の紫陽花 



  八月の日照りに 
  干乾びた姿晒す 
  木乃伊(みいら)の紫陽花 



「生」から「死」へと移ろう 
三ヵ月の間に永遠の花を開き
透き通ってゆく硝子(がらす)の紫陽花 




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