円錐状の稲穂/
奥津 強
枯れた稲穂は 円錐状に伸び
一隻の 小船を 介護している
おれは 乗り込んでしまったが
遠くには 泣きそぼった雨がふる
まるで 彼らの 光景は ミューズのようだ
後頭部が やけに 鬱めいていて
船は 酔っているだろう
おれは 魚
塞き止められる 中毒的 の快楽
又は 水田を 裏返す
何歩も歩けぬ 聞こえぬ 農夫次に残骸
見よ 星に 蝙蝠傘を 与える 快速船
彼らに 一輪の花を添えよ
そして 白夜の如く お前は そこにいる
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