スランプ/愛心
 
「言葉」を書いてはいけない。

そう聞いたとき、私が一番恐れていたことが、今、起きてしまった。

「言葉」が書けない。

いままで、キーボードの前に来れば、私の指は知らず知らずの内に、キーボードの上で踊った。拙い文章が、つらつらと画面に浮かぶ。私の世界へとつながる扉が、光を噴出し、大きく開かれていく。
それが普通だったのに・・・。
指はキーボードの上で踊らず、画面は白いまま。扉は大人の拳ほどの、大きな鍵を掛けられている。

何時間も座り込み、書き出し、止めて、また白くする。終わらない。

蒼い空が          
消す。
夜と月に          
消す。

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