『横町探訪』/しめじ
 
 昼過ぎに雨が上がったので酒を買いに外に出た。羊雲が東の空にぽやぽや浮かんでいる。お日さまも顔をだしていて湿った空気が暖かく感じられた。酒屋にて上酒を購入。気分がよいのでそのまま散歩をすることにした。ポメラニアンがぼむぼむ歩いていたので後をつけて角を曲がる。

 大通りを歩くよりも横町や脇道が好みである。何と言うか道自体が油断しているような感じがするからだ。東京の大通りとなると区画もきれいで、きらびやかな看板がそこかしこにある。車がびゃーっと走っていて歩く人々も心無しか足早だ。

 一方一本路地へ入った横町はというと別世界である。犬畜生が道路の真中を闊歩していたり、お爺さんが杖をついて休ん
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