露悪/秋津一二三
ないように慎重に口までフォークを運んだ。男は、美味しい、美味しい、と口に出しながらフォークを口にしつづけた。}
詩にしようとしたら男に的を絞り、世にも奇妙な物語的なネタはあくまで背景である、としなければ愚にもつかない詩になると思う。この非日常は男の心情をつまびらかにするための舞台であり、背景である、と言い切れるものでなければ、お涙ちょうだいでついでに教訓めいた小咄にすぎなくなる。まぁ、大衆作品とはそういうものだったりするのだが、私の行動原則は一対一であるので大衆なんぞは心底どうでもいい。
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