ライダーと戦闘員。/もののあはれ
 

僕はユラユラと立ち上がる彼の肩を叩き、大丈夫かよと尋ねると。
よう。おれはショッカー戦闘員だぜ。
あんな酔っ払いのヘナチョコパンチ痛くも痒くもないさと強がって答えた。
僕は彼の前歯が完全にへんてこな角度に曲がってるのに気付いたが
あえて気付かない振りをして、じゃあ飲みにいこうぜと軽く肩を叩いた。
ああ。そうだな。
しかしお前よ、そんなに心配してくれるなら普段のキックとパンチを
もう少し加減してくれねえかなあと肩をすくめて笑った。
ああ、そうだな。次からは気をつけるよ。
と、僕は腰の変身ベルトに親指をかけながらニヤリと返した。
本来、このベルトはYのような奴の腰にこそ、

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