無題/
海月
僕と君で作り続けた物語が終わりを告げた
二人で同じ分だけ進めた歩幅
少し早いとか、遅いとか
言い合えることもなくなり
残され距離を見ているだけ
誰もいない海岸に波が押し寄せる
この砂に終わりは来るのだろうか
この海に終わりは来るのだろうか
途中で途切れた足跡が波に消える
時計の針を戻しても何も始まらない
だが、先に進めることは出来る
その足を前に出して
目の前の扉を手で押して
きっと、始まりの歌が流れ出す
終わりは始まりの合図
第二幕の物語が今
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