歩む方向/海月
 
穏やかな陽射しが窓を通り抜けて
空の写真立てを輝かせている

少し前の流行の曲が何処からから流れて
行き交う人々の足音が混ざり合い
触れた肩の痛みに声を上げずに
僕は明日に走り出す

茜に染まる空に子供達の声が響く
寂しさに声を失くした空き缶
重荷を置いたブランコ
風を受けて崩れていく砂の城
子供達の陽炎が昨日に伸びている

住宅街からは今日の終わりを告げる匂い
優しく光に包まれて終局に向かう

僕が向かう方向
未来なのか
過去なのか
分らないまま

ただ、僕の歩いている


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