「詩という表現を選んだ貴方へ」について/ぎょうてんかん
 
 作者は講演会で講演していると感じているのだろうか。しかしモニターの前にいるのは単なる一人の読者だ。しかも私自身、貴方の顔が見えないし、たぶん「詩」に興味があるらしい人というしかない。当然私も顔のみえない馬の骨だし、赤の他人にすぎない。だから「私」は「あなた」のいう「あなた」ではないみたい。
 しかし「書かれた文章」についてのみ批評する。
 「詩は不実・・・」は、谷川の見解、意見だ。彼の創作過程についての想いだろう。「実」のないふわふわしたものが詩人の内心を通ると、「実」のあるものになる。したがって「・・・」はその過程についてのおじんギャクか、だじゃれだろう。
 また入沢の「詩は・・・」については、入沢やその作品を知らない人には意味不明の「否定文」でしかない。
 最後の「(笑)」について。作者が自分で自分を笑ってどうなるのだろう。どうするつもりなのだろう。せっかくここまで読んだ読者としては、がっかりするか、馬鹿にされたみたいな感じに陥る。
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