〜回想〜/彌月
 
 

ゆっくりと過ぎてゆく
想い出が
憎らしく 哀しい

この濁った空のように
光を遮る雲のように

痛みだけが残ったわけじゃなく
辛さだけがあるわけでもない

ひとしずくのワインに似た
幸せの欠片

孵化することなく
化石のように

ずっと ずっと
大地の揺り籠に
眠るだろう


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