十二月の階段/月見里司
てからも踊り場という言い
かたに疑問がなかったのをおぼえている、年
下の子がくるくると回るその前をさえぎらな
いように通り過ぎた、笑い顔が続く、手が伸
びてこないことにはそれなりの理由があった、
今も段数を数えながら上っている、かならず
終わりを右足にするように、ずれたときは一
段飛ばして調整するのだ、うっかり左足で上
り終わったときに吹き抜けるコンクリートで
じゅうぶん冷やされた風、消える外燈と、十
二月の階段は町のように氷点下に沈んでいく、
//2007年12月8日 poenique「詩会」提出 非改稿版
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