ある海辺の夢/猫のひたい撫でるたま子
 
白いろうそくを砂に見立てて城を作った

ぽたぽたと熱さで垂れる速さにあわせて

あたりまえの時間がいとおしい

ただのあなたがいとおしい

海が見える病院で

風とあなたと母親と

気を使った笑顔がいとおしい

外は寒いかもしれない

窓越しのあたしたちには関係の無い、ある日

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