「不確かな肩」/菊尾
 
証明できたら信頼されるの
いつもみたいにふざけ合えるの
冗談で取り繕ってみせた雰囲気は
一人になると嫌悪して
言葉に立ち始めた角が疲弊させていく

肩は不確か
いつもの場所より低くて落ちてしまいそう
なんだか最近、痩せたみたい
唇も指先も冷たくて
抱きながら秒針の動きを追っていた
その肩越しに

頼り方を忘れてしまったら
いつからか孤独が寄り添ってきた
金網で遮られているみたい
鳴らしても伸ばしても気付かないし届かない
穴だらけの二人は体内に留めていられない
もたらす心情は穴を広げていくばかり
似ているから
埋まらないんだ
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