虚偽と忘却のエピソード/atsuchan69
った書類、そして急須と茶碗を傍らに、まだ起動したばかりのノートパソコンでヤフーの記事を検索した。
――あれは、本当に映画の撮影だったのだろうか?
該当するような記事はどこにも見あたらない。そこで住所から検索してみるが、これもダメ。わたしが見た「事実」は、どうも全くひっかからなかった。
いや、待てよ。ああ、Sさんがいたんだ。彼女の実家は、わたしの家と道路を挟んで向かい側の区画にある。彼女なら、わたし同様にアレを見たのではないだろうか。
さっそく彼女の課へ連絡した。あいにくと今日は風邪で休みだという。
ふと気になって、妻にも電話をしてみた。
繋がらない‥‥
そこでわたしは
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