使えないきつね/
木葉 揺
使いにくそうなきつねが
やいやい話しかけてくる
どうやら自分の使い勝手の良さを
アピールしてるようだ
あんまりうるさいので
試しに使おうとしたら
「使うな!」と怒り出した
仕方がないから手を引っ込めて
背中を向けたら
「無理なんだ・・・」
とつぶやく声がきこえた
振り向くときつねは石ころを蹴っていた
やっぱきつねは使えるのがいいよな
そう思って歩き始めたとき
一瞬、頭の中を石ころが横切った
ある夏の出来事だった
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