明日の台本 /
服部 剛
最近夜になるといつも
何処からか聞こえてくる
密かなピアノの旋律に
耳をすます
モーツァルトの指は今夜も
鍵盤の上を滑らかに踊る
自分という役を演じることが
ことのほか面白く思えてくる
ぼくは
他の誰でもない
ぼくのまま
シナリオのない
明日の台本へ
飛びこもう
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