ユメの世界、しょうゆ味/小鳥遊儚
 
すきな日記形式の文庫本を
くるくるまわる椅子に腰掛けて読むのが
しあわせ

味付け海苔をぱりぱり食べながら

そとでは「美人さん」をやっているので
または「すっとぼけさん」をやっているので

こういう
らくちん、たのしい、ひとり

しあわせなのです

ときどき
甘いお菓子よりも塩味のきいた海苔だとか
せんべいだとかを食べたくなるのはなぜでしょう?

体も恋をしてるんでしょうか
体も恋や人生の波や山あり谷ありとてちんかんな
そういう諸々なことがあるのでしょうか

そとでは「にっこり気さく」をやっているので
または「平和で間抜け」をやっているので

体のことを思うと
手をあわせたくなります「感謝しています」

この文庫本が読み終わるのが寂しい
さいごの海苔が一枚

また現実に引き戻されて行くのが
とてつもなく寂しい



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