神様/あおば
なにも言えなくなっているので
3度目の男は
自分が言わなければならないのだと
感じたので
言うのが恥ずかしいので
顔を隠して蹲る
忘れ去られるのを待っているかのようだ
かのようなしだいで
残った男は2度目の男と
1度目の男
かみさま、カミサマ、KAMISAMA、kamisama
2度目の男が神様になれるかと
大きな声で叫んでみたが
声は青空に吸い込まれたまま
帰ってこない
本物の神様ならば
声はおもうままに出来るのだから
無理しなくても、
不当労働行為を働かなくても
労働者は自分から仕事を買って出るはずだ
2度目の男はそれが分かった途端
恥ずかしくなって
地べたに顔を埋めてひれ伏した
1度目の男は
立っているのは自分だけだと知ると
なんだか落ち着かない気分になって
林に向かって後ずさりして
いつの間にか姿を隠す
後には神様になれそうもない男達が
地面に蹲ったりひれ伏したりして
倒れた男の潔さを羨んでいるばかり
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