春待ち/
ユメアト
凍える指先を握り締めて暖めてあげる、
なんて優しさは春になっても芽生えてこないよ
いつまでも冷えた体は雪の下で
土の僅かな温もりを頼りにして、
来る保証のない春と
抱き寄せてくれる腕を、
耳が狂うほどに、静かで白い空に向かって
ただ願えばいい
願いを聞いてくれる誰かなど
どこを向いてもいないけれど
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