六月/nm6
じめる夜、語彙は空気中に溶ける。ブルーが上塗るブラックな空にかざした手をむすんで、ひらいて。六月にペタつく肌に触れる、のが、机でなくて君のどこかならばと思う。さあ言おう、「でんぐりでんぐり帰るので、心配はいりません。」ひとりで、ひとりでにひとり。境目をきびりととがらせて、夢想する、ただ君のどこかならば。
マスターピースだ。
ぼくらのセリフがマスターピースだ。
目を開け朝、語彙を口先に引き戻す。ホワイトが煙巻くブルーな空に恥じながら声をかけて、おはよう。そういう仕事だ。触れる風が、君のどこかならばと思う。艶めく妄想に揺られる朝っぱらの電車の中で、高らかに狂う声
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