地下通路/純太
地下通路を歩いていた
天井から街の汗が落ちていた
背伸びをするなと言われても
朝から晩まであちこちにビルの明かりは点いてるし
そのわりには自動車は早く走ってるし
逃げたい空は
どこに行っても
逃げたい空に変わりなく
僕は変われない
と思っていた
君の言葉に君を思える時がくるとは思っていなかったから
変われる心が僕にあることをあの頃の僕に自慢した
僕にある心はこの街のみんなにもある
その望みは果てないが
地下通路を抜けると
僕は汗をにじませ
地上を歩くみんなも汗をにじませていた
戻る 編 削 Point(3)