「 骨 」/服部 剛
 
この世から 
姿を隠した彼の面影  
浮かんできそうな 
月夜の道 

なにもかも 
すべてをなくしたところに 
「 無 」があった 

四十九日が過ぎる前に 
彼のいない自宅に
ぼくらは集まり 

こちらをみつめる
遺影を囲み 
骨壷に入った「 死 」を前に 
言葉もなく 
啜り泣くだろう 




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