夢についての一考察、彼。/空雪
僕は夢を見ない。
遠く遠くの海の果て
ガラガラガラリと波が舞う
其処に貴方がいるとして
嗚呼、なんてしあわせな。
嗚呼、なんという残酷な。
明けない夜はないという
ねぇ、それならばと僕は問う
醒めない夢も無いのかい?
そうだとしたらなんて哀しみ
そうでなくてもなんて愛しさ
ただでさえ世界は夢のようなんだ。
貴方の笑みが在る時点で。
たぶんね。
青い薔薇などいらない。
愛の言祝ぎひとつだけ
貴方から僕にくれないか?
もしも僕が夢を見るとすれば
(見なければ生きていかれないと気づいたならば)
たったひとつ、 そういった夢ならいいのだが。
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